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「安井かずみ」がいた時代って? [音楽雑感]

安井かずみがいた時代
という本を読んだ。
 
 加藤和彦と年齢だけでなくて、収入の方も差があり上だったなんて、ちっとも知らなかった。安井かずみってそんなにお金(印税)を稼いでいたんだ~と驚いた。
 昔、「キッチン&ベッド」って本、読んだことがあったなぁ。実家の中を探せば本が出てくるかもしれない。でも、今さら読む気などしない。内容もほとんど覚えていないのだもの。その後、TVなどでスノッブで鼻持ちならない姿を露呈していたお二人は、憧憬の対象にはならなかった。世間では、ベストカップルとして通っていたようだけど、私の目には常に別世界に住む人たちとして映ってた。
 加藤和彦のアルバムは、「あの頃、マリーローランサン」までは買って聴いていたけど、その後は興味が失せて、レコードは買っていないし・・・。
 
それから先のことは(紙ジャケット仕様)パパ・ヘミングウェイ
うたかたのオペラ
ベル・エキセントリック
あの頃,マリーローランサン

  この本は、「婦人画報」の連載ものを一冊にまとめたというもの。私は、「林真理子」と「平尾昌晃」の号を、病院の待合室かどこかで読んだ。でも、林真理子の章は興味をそそられなかったし、連載だとまでは知らなかった。
 もともと、加藤和彦の音楽が好きだった訳だけど、よく考えてみたら、私は「安井かずみ」について、あまり知らなかった。
 だいいち、紫煙が苦手な私は、タバコを吸う女(ひと)がカッコイイなんて思わないし・・・。だから、「安井かずみがいた時代」って?なんだったんだろう?と本を読み始めた。
 
 親交のあった人たち=安井かずみ側の再婚前まで親しくしていた友人の話や夫婦の事細かな点が時にはゴシップ調だったりして出てくるので、途中で読むのが嫌になったりもした。だって他人さまの夫婦ほど分からないものはないのだもの・・・。
 でも、安井かずみの妹(オースタン順子さん)のページ(章)になったら、彼女の実像がかなりくっきりしてきた。というのも、私も同じふたり姉妹の妹の方だから。その上、姉妹関係の共通点が幾つもあって、すごく納得できた。
 加藤和彦が安井かずみ亡き後、自宅に実の母と妹を入れなかったということや、形見分けすることもなく、遺品を処分してしまったこと・・・それもゴミとして出していたなんて。加藤和彦の安井かずみの肉親に対する思いやりのなさに呆れた。
 彼のフェミニストの仮面の下にあった「怖い素面」を見てしまい、ぞっとした。
 「キッチン&ベッド」などで感じた別世界より、もっと地に足の着いていない生活だったことが分かったし、一組の夫婦をめぐる、対人それぞれの価値観の違いを教えられた。
 
安井かずみがいた時代
 それは、『昭和元禄』と呼ばれた時代から、バブル景気の泡が消えて、日本の景気が斜陽になりはじめた時代までなのだなぁ・・・。

安井かずみがいた時代 (集英社文庫)  ジュリーの「危険なふたり」は、てっきりその頃に沢田研二と噂のあったザ・ピーナッツのお姉さんのことを歌っていると思ってた。歌詞の「年上のひと、美しすぎる」は、美化し過ぎだと思っていたけど。でも、この詞を書いた安井かずみが、ジュリーのことが大好きで自身の妄想で作ってたようだというから、すごい!。
 
 ザ・タイガースの「シー・シー・シー」も安井かずみの作詞だったって、この本で知った。話はそれるけど、当時、小学生だった私はB面の「白夜の騎士」の方が好きだった。それにタイガースの夏の歌は、「シーサイド・バウンド」が最高だって思うのよ。
 
安井かずみ、そして加藤和彦
二人が残した音楽は昭和の軌跡そのものだ。

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