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碧き流星群≪Just Kids≫ [音楽雑感]

パティ・スミスの「ジャスト・キッズ」

ジャスト・キッズ.JPG
何度となく読み返してしまう
パティ・スミスとロバート・メイプルソープの若き日の物語
 
文章力の巧みさと内容の濃さ&重み
これほどまでに心を揺さぶられる
アーティストが書いた本には
いままで、出会ったことはなかった。
 
 「ジャスト・キッズ」とは何かしら?と思いながら読み始めていて、しばらくして私はパティとロバートの姿を映画「恐るべき子供たち」のような、ふたつのベッドが並んだ部屋の中でグダグダと過ごす二人のシーンとを想い描き、重ね合わせていた。でも〔ジャスト・キッズ〕の章の中で、公園にいた老夫婦のうちの妻が「あの人たちはアーティストよ」と言って写真を撮ろうとしたら夫の方が「Just Kids・ただの子どもだよ」と答えたという件があって、そこから来ているのかと納得していたら、〔チェルシー〕の章の終盤に【まるでコクトーの『恐るべき子供たち』の姉弟のようだった】という一節があり、やっぱり直感は当たってたんだなと思った。
 
 私は、この本で風変わりで魅力的な人達が集うチェルシー・ホテルの短期宿泊者になれた。また、マクシズに足繁く通ってみたり、書店の店員になったり、様々なアーティストやミュージシャンと交流して過ごし面白い話を聞かせてもらったりしながら、ちょっとしたスリルも楽しめた。パティ・スミスを取り巻く個性的な人達の喜怒哀楽にも心動かされたり、刺激を受けた。
 
 ロバートの複雑すぎる愛情や心情を理解することは、到底出来ないことだけど、私はパティ・スミスと自分自身との精神的な共通点をいくつか発見し、嬉しさと喜びを感じずにはいられなかった。
 そして、アルバム「Wave」のA面になぜ、カバー曲の「 So You Want to Be (A Rock 'N' Roll Star)」が収録されているのかしら?と疑問だったので、この曲の持つ深い意味も知り得ることができた。


『碧き流星群』になったロバートに捧げる
その魂よ、安らかなれと・・・
ヴェロニカのメダイ.JPG
私が手作りした「聖ヴェロニカの聖顔布メダイ」) 

約400年の眠りからさめた「メダイ」の複製を鋳造したもの

Just Kids
ジャスト・キッズ