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Guitar Blue [音楽雑感]

Guitar Blue
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2週間前、米国人のギタリスト
Jさんがお亡くなりになった。
最後に会ったのが、2019年の5月だった。
 
 今思えば、その当時すでに体調は、おもわしくなかったのかなと思う。数年ぶりの再会で、話したいことはたくさんあったけど、お疲れ気味と拝察して、その時は挨拶だけにしておいたことが、心残りでもある。
 翌2020年に臓器の疾患により、移植手術を受けて順調に退院し療養も終え、ステージにも復帰していると伺い、安心していたのに・・・。コロナ禍での大手術に耐えぬき、もっともっと、ギターを弾きたかっただろうと思うと、哀しくて訃報を知った途端に、とめどなく涙があふれてしまった。
 
 Jさんと親しくなったきっかけは、新宿のレコード店で偶然、鉢合わせしたことだった。そして、わたしが案内して、六本木のレコード店へ行った。訪問先までタクシーを使うと聞いた時は、都バスで行くことをすすめて、その場所まで一緒に行ったこともあった。初体験の東京の路線バスに、子どもみたいに大はしゃぎしていた。ステージでは、まるで職人さんのようにクールにギターを弾いているのに、全く違う一面を知って、微笑ましく思えた。愛妻家で、おのろけ話も聞かされた。
 コンバースの良く似合う彼は、姿勢がよくて速歩で、「永遠のギター少年」という風貌の持ち主で、カッコ良かった。西新宿の作業服屋さんで買ったという地下足袋が、冬に雪かきが必要な自宅で大活躍しているって話してくれたこともある。
 今までも、コンバースとSOU・SOUの地下足袋シューズを履くたびに、Jさんのことを懐かしく思い出していたけれど、これからは偲ぶことになってしまうなんて・・・。
 
 ザ・ヤードバーズも大好きだと言っていた。彼は、ジェフ・ベックのギターと同じようなホワイト・ブルース(ボーカルの邪魔にならない。少しだけ控えめに感じるけど、存在感のある)ギターを奏でていた。テクニックのみならず、黒人ブルースを基本に習得した、フレーズの引き出しを沢山持つ、才能にあふれたギタリストだった。そんな彼が旅立ってしまったことが、残念でならない。
 
 1月7日にみた夢、「ギタリストの友人とジューク・レコードに行った」
 その友人が、自身のブログに共通の知人であるJさんの追悼記事を書いていた。奇妙なつながりが、また生じてしまった。
 これでわたしの1月の9日間に見た不思議な、ふたつの夢の関連は完結したと思いたい。
 
 もう、ギタリストの訃報はたくさんだと思いながら、パイレーツ・カヌーの「Guitar Blue」を聴いている。
ブルーな気持ちが、肩の力が抜けた彼女らの歌声を聴くと和んでゆくのだ。

タグ: Guitar