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音楽評論家 増渕英紀さんへの手紙 [Letter]

 増渕英紀様へ

 前略  増渕さんにお手紙をさしあげるのは、三十年と少し振りのことです。

 昔、九州のある地方都市に住む女子高校生から『ユートピアについて、詳しいことをご存知なら教えてください。』という内容の手紙をワーナーBレコード社を通じて受け取ったことを覚えていらっしゃいますか?。その高校生が私です。

 実は増渕さんから直々にお返事をいただけるとは思ってもみないことでした。また、封書の裏にはご自宅の住所も書かれていました。

 そのお手紙は実家で紛失してしまい、もう手許にはありませんが、『トッド・ラングレンは、すばらしいアーティストだけど、あなたはまだ若いのだから、トッドに固執しないで、もっと色々な音楽を聴かなければいけないよ。』という内容だったことは今でもよく憶えています。

 当時はなにせ生意気盛りな年頃ですから、正直そのアドバイスには「だって~好きなものは仕方ないもん。」と思っていました。(でも、お手紙を頂戴したお礼の返信はしたかと思います。)

 増渕さんの『色々な音楽を聴くように』という言葉を時折、思い出して心がけるようになったのは、二十歳代になってからの事でしょうか・・・。そして年を重ねて、トッドは今でも一番好きなミュージシャンでファンです。でも、トッドがすべてではない私でもあります。

 十四年前まで七年ほど東京に住んでおりました。1990年5月に九段会館ホールの『エイモス・ギャレット、ダグ・ザーム、ジーン・テイラーBAND』公演に行ったとき、一緒だった友人がロビーで増渕さんを見かけたと教えてくれました。しかし、開演間近のことでしたので、結局お会いすることができませんでした。またいつの日か、ご縁があればチャンスに恵まれるのでは?と思っておりましたが、今日に至ってしまいました。

 私の音楽を通じて知り合った友人たちに、この増渕さんのお手紙の話をすると皆、口をそろえた様に「なんて良い話なんだろう。」と言います。

 増渕さんのような素敵な音楽評論家さんがいらっしゃるということを、同じく音楽を愛する皆さんに知っていただきたいと思い、また増渕さんへ感謝の言葉をブログを通じてお伝えしたい趣旨で手紙を書きました。

 その節はアドバイスを頂き、ありがとうございました。これからも、色んな音楽を聴き続けていこうと思っています。

 最後になりましたが、どうぞお身体に気をつけて。いつの日か必ずやお会いできる日が来るようにと願っています。お元気で!                         かしこ


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増渕英紀

ありがとうございます!

色々な音楽を聴いて戴いていることを知り、光栄です。

今後とも色々な音楽に接して頂ければ幸いです。
by 増渕英紀 (2009-08-19 01:39) 

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