SSブログ

初めて出会った日そして最後に会った日 [Letter]

 数年前のこと、哀しい知らせの便りが届いた。 それは、友人のご主人からのもので「生前親しくしてもらっていた妻が癌で他界した。癌を告知された時は、すでに手遅れだった・・・。」という内容だった。いつもと変わりのない年賀状をもらって数か月後のことで、とても驚いた。闘病中だったのに気丈にふるまっていたのだ。 すぐにご主人へお悔みの電話を入れた。
 この頃、"Rumer "の「Boys Don't Cry」が、わたしのヘビロテCDだった。電話を切ったあと、ふたたびこのCDを聴き始めたら・・・
ルーマー.jpg
 「It Could Be the First Day (Richie Havensのカバー曲)」になったとき、わたしはとめどない涙で嗚咽した。

 彼女と初めて出会った日のこと、そして最後に会った日のことに思いを巡らせた。音楽マニアの男友達を介して彼女と知り合った。逢った途端に意気投合し、まるで旧知の仲のようになった。
 本人の希望で、葬式の類はせずに海洋散骨となった友、海で眠ることを選んだとは、なんとも彼女らしい。この曲を聴くたびに、遠ざかりゆく、彼女との懐かしい日々を想う。